陳情・要請について

陳情

橋本厚生労働副大臣に対し「社会保障制度及び税制に関する要望書」を提出し、 陳情・要請

平成28年12月5日 橋本厚生労働副大臣に対し、全年連若杉会長、宮城県舩山会長、東京都真屋会長、岡山県黒川会長代理、全年連柳樂常務理事が「社会保障制度及び税制に関する要望書」を提出し、陳情・要請を行いました。

宮城県舩山会長は、「3.11の東日本大震災からの復旧は途上であり、高齢者の生活はまだ安定していません。被災時には、多くの高齢者の生活を年金が支えていました。これ以上の年金の引き下げは、高齢者の生活を圧迫するものであります。年金制度の維持を含めた安心できる年金制度の確立をお願いします。」と意見を伝えました。

要望事項

1 年金給付額のこれ以上の引き下げは行わないこと。
 年金支給額を抑制する「マクロ経済スライド」について、物価や賃金が下がるデフレ時に適用できなかった抑制分を、景気回復で賃金や物価が上昇してからまとめて差し引けるようにすることや、賃金変動が物価変動を下回る場合に賃金変動に合わせて年金額を改定するなど、年金改革関連法案が現在国会において審議されている。
 このことは、公的年金に頼らざるを得ない多くの高齢者の生活にとって大きな影響をあたえるものであり、これ以上の引き下げや抑制は行わないこと。

2 年金課税のあり方について早急に検討すること
 世代間・世代内の公平性を確保する観点も踏まえつつ、公的年金等控除の見直しや、老年者控除の復活、「年金所得」を独立させる等、所得区分の見直しを図り、年金受給者の生活実態に配慮した年金課税のあり方を早急に実現すること。

3 年金財政の健全化を図り、将来にわたって信頼できる公的年金の確立を図ること
 現役世代の保険料負担との調和を図り、世代間の合意形成の下、年金受給者の基本的生活ニーズを充足しうる給付水準の確保を図り、現役世代が制度への不信感や将来への不安を抱くことのない年金制度を早期に確立すること。
 このために、年金制度への国庫負担の拡充等により、年金財政の長期的な健全化を図り、公的年金制度に対する信頼回復に努めること。

4 医療保険制度について、高齢者に対する高額療養費の負担増加は避けること
 現在、厚生労働省の社会保障審議会では、医療費の増加の抑制に向け、世代間の負担の公平性を図るために高齢者の高額療養費制度の窓口負担の優遇措置や後期高齢者の自己負担割合の見直し、高齢者の高額療養費を別建てとすること等が検討されているが、高齢者の生活にとってさらなる負担となることから、新たな負担増加は避けること。

5 介護保険制度について、高齢者の負担増加になる制度改正は避けること
 平成27年8月から介護保険制度の利用者負担の仕組みが変わり、一定の所得以上の利用者は従来の1割負担が2割に引き上げられ、さらに、特養や老健施設などの利用者に対する補足給付の補助要件が見直されるなど、高齢者への不安はますます増大している。さらに、現役並みの所得のある者について、負担の増加が検討されているが、これ以上の高齢者の負担増加は避けること。

6 消費税率の引き上げは見送ること
 平成31年10月から消費税率を10%に引き上げることが予定されており、これが実施されると最も大きな影響を被るのは、年金を唯一の収入源とする年金受給者であるため、現状8%以上の消費税率の引き上げは見送ること。